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美波町の「日和佐うみがめ博物館カレッタ』が 2年の時を経てリニューアルオープン!

2026.01.26

  • 美波町

ウミガメの泳ぐプールや情報展示が驚きのアップグレード

大浜海岸に打ち寄せる波の音。その遥か向こうに見える水平線と紺碧の屋外プールの水面が溶け合うように見える時もあるそう。
なだらかなスロープを降りると見えてくるこの[大ガメプール]が、リニューアルオープンした『日和佐うみがめ博物館カレッタ』の新たなシンボルです。

 

そこで気持ちよさそうにたゆたうのは、リニューアルを機に名誉館長に任命された「浜太郎」。1950年生まれの75歳で、なんと年齢が分かっているアカウミガメの中では世界最高齢だそうです。堂々たる風格を宿しながら、つぶらで愛らしい瞳で出迎えてくれました。

(CAP)
1950年に日和佐中学校・海亀研究班による人工ふ化で誕生した浜太郎。

徳島県美波町、大浜海岸のすぐ前に位置する『日和佐うみがめ博物館』は、約2年間の改装工事を経て2025年7月にリニューアルオープン。
テーマ別に分けられた展示エリアが新たに設けられ、ウミガメをはじめ淡水や陸上のカメなど約50匹も飼育展示されているほか、その生態や進化の歴史、環境問題などについて楽しみながら知ることができる世界でも珍しいウミガメ専門の博物館です。

エントランスを抜けると広がるのは「カメの進化」が学べるフロア。
従来の壁に掲げられた情報パネルのみならず、床面にも恐竜時代以前から続く進化の歴史が刻まれていて、空間全体での工夫を凝らした展示が目を惹きます。

次のエリアに続く通路では、8頭のウミガメのはく製&レプリカがお出迎え。

歩を進めると登場するのは120インチもある大きなハイビジョンシアター。
ここではアニメーションも交えてウミガメの一生を分かりやすく映像で解説し、困難を乗り越えて懸命に生きるウミガメの姿に親近感が湧いてきます。

体験型展示「私のウミガメ帰っておいで」では、専用シートのカメに色や模様を付けて機械でスキャニングすると、巨大なスクリーンに自分だけのウミガメが泳ぎだし、そのふ化から成長する過程を見守ることができます。画面に触れて自分のウミガメの成長に携わることができるゲーム要素もあって、楽しみながらウミガメを取り巻く環境を学ぶことができると子どもたちにも大人気だとか。
そして、次の来館時にこの専用シートにある仕掛けをすると、自分だけのウミガメが大きく成長し産卵するイベントが発生するかも?!

ウミガメと人の暮らしが最も近い“聖地”、美波町

まだ食糧難だった1950年(昭和25年)、大浜海岸に上陸したウミガメが食肉目的のため無残に殺されているのを、当時の中学生と先生が発見。その深い悲しみと憤慨の想いが原動力となり、日和佐中学校でウミガメ研究班が発足したエピソードが「ウミガメとともに歩んだ美波町」エリアでは紹介されています。手探りのなか、ウミガメの上陸産卵回数の記録や子ガメの飼育研究がスタート。

展示からは当時、何も情報が無かったなかで近藤康男先生と生徒たちが一から考えて行った研究が、実はどれも非常に理にかなっていたことが伝わります。

(※CAP1)
中学生が行った卵のふ化実験や、ふ化後に子ガメがなぜ海に真っすぐ向かっていくのかという疑問に対して行われた行動実験などを開設したパネル展示。

(※CAP2)
寒さが苦手な飼育子ガメの為に、当時の中学生たちが試行錯誤して自作した水槽用ヒーターのレプリカ。スチール製のお茶の缶の中に白熱球を入れて温めるアイデアに感心させられます。

「これらの研究成果は、後に世界のウミガメ研究者たちの知るところとなり、“こんな実験を数十年前に研究者ではない地方の中学校教師と生徒たちが行っていたのか!”とみんなとても驚いたそうです」と語るのは館長の平手康市さん。

「人工ふ化させる卵を定期的に破って成長の過程も観察している。命を奪って研究することは生き物の研究に関わる者にとっていつも葛藤を覚えるんですが、それをのり越えてあの時代に中学生たちがちゃんとデータを残しているというのが感動的です」。

現在の博物館に繋がるウミガメ研究のルーツも含め、改めて美波町が世界的に見ても特別な場所であることが平手さんの言葉にもにじみます。
「美波町はウミガメと人の暮らしがとても近い、両者にとって聖地のような場所です。この町はウミガメとともに共存してきましたし、今後も共に生きていく関係を続けるために、保護研究を続け環境についても考えていきたい」。

長寿の象徴でもあり、神聖な存在として古来より多くの民話や物語にも登場するウミガメ。
今回「日和佐うみがめ博物館カレッタ』を訪れることで、この愛すべき生き物の生態と人との深い繋がりを改めて知り、共に生きていく自然環境についても考えるきっかけになりました。
そして、生まれたウミガメが長い旅を経てまた帰ってくるこの美波町のことが前より好きになった気がします。

(CAP)
同館ではカメとの触れ合いやエサやり、季節のイベントなども定期的に開催していて子どもにも大人気。受付横にはオリジナルのかわいい[アカウミガメぬいぐるみ]が当たるくじ引き(1000円)もあるので、ぜひチャレンジしてみてね。

徳島県海部郡美波町日和佐浦369
TEL 0884-77-1110
開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜(祝日の場合は開館、翌日休)
入館料料:大人(高校生以上)1000円、中学生500円、小学生300円、幼児(3歳以上)100円、(2歳以下)無料

ホームページ caretta.town.minami.lg.jp

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