移住アドバイザー小林陽子さんに聞く!地方移住の極意2021(前編)

コロナ禍の現在において、都市部との二地域居住や地方移住に対する関心が高まっているという話をよく耳にするようになりました。2022年3月14日の徳島新聞の一面では「徳島県の転出者から転入者を引いた「転出超過」が、2021年は新型コロナウイルス感染症が広まる前の19年から半減した」という記事が掲載され、都市部への人口流出が鈍化したと報じています。
コロナ前から地方移住に熱心に取り組んできた四国の右下エリアにとって、この地方回帰の流れは追い風となっているのか、移住対応にあたる移住コーディネーターや移住担当者の指導にあたる四国の右下移住アドバサーの小林陽子さんに、この一年を振り返って感じる、“移住の今”についてお聞きしました。※敬称略

オンラインでの移住相談は“どこでもドア”!相談者は積極的に利用して

小林 今年度を振り返ると、オンラインでの移住相談の重要性が更に高まってきたと思います。
ただ、オンラインでのやりとりは良さそうに見えて良くない部分もあると感じています。
現地に行かなくてもいいという点はいいのですが、移住相談を受ける側としては画面だけで、相談者の思いをくみ取ることはとても難しいですね。移住フェアなどで実際にお目にかかってお話すると、表情などから不安に思っていることなどを察することもできるし、色々な話をしながら聞き込むことが出来きるので、移住希望について把握しやすかったんですが、オンラインになると同じようにはいかないんですよね。オンラインでお話しした後、現地に来られてお会いしたときに「思ってた感じの人と違う」と印象が異なることもありました。
おそらくオンラインという慣れない環境で、移住希望者が行きたい場所や移住先でやりたいことを伝えるのは難しいのかなと思います。
なのでオンラインでは、移住希望者が自分の思いを「明確に担当者に伝えられるか」にかかっていると思うんです。自治体の担当者も移住対応に慣れている人ならいいんですが、オンラインは時間も限られているので、短時間でうまく聞き出してあげられるかがポイントですね。
移住相談を希望される人の中には、行き当たりばったりの方、インターネットに慣れていない方など色々いらっしゃると思いますけれども、回数を重ねれば必ず慣れますので、懲りずに何度でもオンラインの移住相談に参加して欲しいです。

オンラインのよさは“どこでもドア”。興味のあるあちこちの自治体に相談しに行けばいいと思います。電話でもメールでもなんでもいいので、気になった自治体があれば連絡を取ってみて下さい。

――――「どこかに移住したい」という“漠然移住”の人の割合いが結構多いようですが、移住の決め手になるようなアドバイスはありますか?

小林 移住に関する自治体の取り組みの良し悪しは、電話をすれば大体わかりますよ。窓口にかける初めての電話はとても重要だと思っています。「移住を考えているんですけど…」と問い合わせた時に、どういう話をしてくれるか。「親切に対応してくれている」と感じられるか、そこでまず判断されるといいと思います。若い人は電話で話すことに慣れてないかもしれませんが、現地に行けず、オンラインでのやり取りになる分、まず最初の感触を確かめる方法としては電話がおすすめです。

電話のやり取りをした後、情報交換など文字でのやり取りが必要になる場合はメール、さらに文字のやり取りだけでは伝わらない部分をZoomなどのオンライン相談を利用してお話するといった方法に進まれるのがいいと思います。

ここでもう一つ移住相談が上手くいくポイントをお知らせします。

オンラインで移住相談されている時には背景を入れないほうがいいですよ。ご自宅から繋いでいる場合、嫌でなければ部屋の様子も見せてもらえると助かります。それだけでも多くの情報を担当者が得ることが出来ます。例えば、「オシャレな時計を飾っているんですね」とか、「子供さん、いらっしゃるんですね」といった風に話が弾みやすいですよね。もちろん家を見られるのが嫌であれば、背景をつけてもらってもいいと思います。先ほどの話にも繋がりますが、オンライン上でも「どこまで自分を出せるか」ということを意識しながら、相談されるのがいいと思います。

▲小林さんの美波町での暮らしやご自宅での様子は、「四国の右下」暮らしのFacebookページで紹介しています。

――――自治体によっては相談より資料を見せながらの説明がメインというケースもあるようですが・・・。

小林 地域のPRのために、ついつい動画や風景写真を見せたがる担当者もいると思うんですが、Zoomを使いこなせる相談者であれば、ある程度はインターネットで調べていると思いますよ。せっかくオンラインで繋いでいるので、動画を見ていただくよりも実際に話をしてみてください。担当者も1対1でやり取りするのが難しいということであれば、移住コーディネーターやコンシェルジュに入ってもらって1対2でお話するとか、入れ替わりながらお話するなどでもいいと思います。

ただ、1つの画面に2人以上が入るのは相手がお話ししにくいので、おすすめしません。顔が半分しか入りきらなかったり、どちらの方が話されたか分かりにくいなど、スムーズな相談の妨げになることも。お互いオンラインに慣れて、自然に話せるようになることが移住の成功への第一歩です。