シームレス民泊を考える~集客交流産業論レポート~

平成30年1月17日(水)、徳島文理大学公開授業「集客交流産業論」が徳島文理大学 2号館アカンサスホールにておこなわれました。

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とくしまの魅力を再発見し、磨きをかけ人を呼び込むと題して、学生だけでなく自治体やNPO、企業関係者の方も聴講できる公開授業です。

講師は、株式会社百戦錬磨代表取締役社長 上山康弘氏と四国霊場22番札所平等寺副住職 谷口真梁氏。

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今回のテーマは「シームレス民泊の意義」。地方の交流人口増減やインバウンドの増加等により、今後の地方における宿泊施設の在り方が問われるなか、阿南市の新野町でシームレス民泊の取り組みが進んでいます。

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シームレス民泊とは、普段はお遍路さんや一般旅行者に宿泊してもらい、災害時には高齢者等の避難所確保、さらに交流人口の拡大による地域活性化につなげることを目的とし、徳島県が独自に推進している民泊の形態です。

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お遍路さんは車やバスで回る人が約15万人、歩き遍路は6000人くらい。
歩き遍路は一周40~50日程かかり、距離にすると1200~1300km。四国に40~50連泊する計算になります。
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現在、歩き遍路のうち5000人が有料宿に、1000人が善根宿に宿泊していて、四国遍路は世界遺産化を目指しており、世界遺産になったら外国人がさらに増えることを考えると、遍路道沿いは宿不足になる。

新野町は津波被害の心配もなく非常時の拠点として安心であり、シームレス民泊として活用されれば、お接待文化による気遣いや思いやりのいきてくる。新野町ではこれから新しくできる宿もあるそうで、宿泊施設同士が協力して、宿泊需要にこたえながら、地域の活性化につなげ、交流人口を増やしていきたいと平等寺副住職谷口さんはお話しされていました。。

上山さんは今年から住宅宿泊事業法(通称民泊新法)がスタートすることにふれ、民泊が盛んな東京や大阪などはもちろん、地方にもチャンスが出てくると言われていました。

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2017年1月~12月の訪日外国人数は、2869万人で2016年の年間累計を超え19%増加。昨年は訪日外国人数2869万人のうち、約350万人が民泊を利用しており、特に欧米人はロングステイの傾向が強く、地方の独自の文化等を理解してもらえる可能性が高いことから、宿泊に関しても期待が持てるとのこと。

しかし、ただ泊まるところがあればいいというわけではなく、地域の特色をいかしたコンテンツをどう作るか問題。満足度の高い体験を提供することは、迎える側が地域の良さをどれだけ把握しているかということも問われます。

何度もリピートしたくなる地域のキーワードは「人」と言われます。
その点、四国の右下はオモシロい人がよーけおりますので、資産としては恵まれているのですが、そういつ人と観光客をどう結びつけていくのか、ハードもソフトの充実も急がれるところです。