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【新連載】日本のお山に帰りたい~岩本さんが加茂谷で協力隊になるまでの話①~

この話は、阿南市加茂谷の地域おこし協力隊・岩本昌子さんが、なぜ、徳島に来たのかを本人が綴ったエッセイです。

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第一回 日本のお山に帰りたい

「日本のお山に帰りたい」

これが、私が元々は永住するつもりで移住し10年近くそれなりに楽しく暮らしてきた米国を離れ、日本に永久帰国を決めた理由だ。

理由の一つ、だ。

「大根ぐらい普通に駅前のスーパーで毎日気楽に買いたい」という心の叫びも、確かにあった。あとは一応真剣な理由が他に幾つかあった。

ただ、どれか一つを選ぶしかないなら、「日本のお山に帰りたかった」しかないような気がする。

そんなこんなで日本に帰ってきたのが、2015年9月。

そこからあっという間に2017年の年も明け、米国では史上初の黒人大統領が任期を全うし、誰も予想だにしなかった億万長者のビジネスマンが新大統領になった。

そして、私は42年の人生でこれまで縁もゆかりも無かった四国徳島の加茂谷で初めての冬を越している。ここに来て1年の節目はもうすぐそこだ。

約10年前、大学卒業後8年務めた陸上自衛隊を退職し、渡米を決めた。永住するつもりで、まずは最も一般的なとっかかりとして、留学ビザを取り入国した。

私費留学ゆえに一発勝負でTOEFLとGMATを受け、そのスコアで入学を許可されたニューヨークのマンハッタン、世界の金融の中心地のウォール街の真隣にある某私立大学のビジネススクールで2年。マーケティングを中心にビジネスや経済を身につけ、さあ卒業というまさにその時、リーマンショックが起きた。世界規模の金融危機の始まりだ。

大学はウォール街の真隣、すぐ側で金融マンがじゃんじゃん首を切られて会社を去っていく光景を毎日みながら、文字通り灰色の空と空気に包まれたニューヨークで職を探した。一流大学を出た米国市民でさえもどんどんクビになっていく状況で、手間と金の余計にかかる外国人留学生を雇うほどの余裕はもうどこの企業にもなかった。

ほぼ99%諦めかけた2008年のクリスマス直前、とんでもない幸運が降ってきた。

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↑自衛隊時代の写真