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影治信良町長インタビュー第2回 移住・定住成功の秘訣

1分でわかる「四国の右下」移住事情
課題解決先進地 美波町
影治信良町長インタビュー(全3回)

第2回 移住・定住成功の秘訣

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影治信良町長インタビュー、第二回は移住・定住成功の秘訣。移住してきた人たちとのふれ合いの中で、「海、山、川がコンパクトに暮らしの中にあることが美波町の強み」と教えてもらったと語る影治町長。若者を呼び込むきっかけとなったサテライトオフィスの誘致や、新たな町づくりについての構想も伺いました。

 

― 伊座利をはじめ、美波町への移住・定住が成功してきた決め手は何だと思われますか?

影治町長 私の感覚では移住は「人」かなと。お世話をしてくださる「人」。町から移住コーディネーターを委嘱している小林陽子さんや、サテライトオフィスの第一号で来ていただいた『サイファーテック株式会社』の社長・吉田基晴さん、この二人のように美波町が好きで、美波町のためにと熱い思いを持った人が核になって動いてくれていることが、町に移住者が増えている原因だと思います。

それからもうひとつ。「自然豊か」というのがあると思います。都会を除けば、日本はどこでも自然豊かなんですが、美波町は海、山、川、空がこぢんまりとすべて揃っている。これは来られた方から聞いて気づかされたことなんですが、海、山、川の3要素が揃って、生活や遊びの中で近い関係にある町は少ないらしいです。

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そうした魅力に着目し、町が移住対策を行う前から、自分の目と感覚で美波町を見つけ、来られた方たちも割とたくさんいらっしゃいます。カヌーイストの野田知佑さんや、絵本作家の梅田俊作さん、料理店をするために大阪から来られた『ひわさ屋』の井岡さん、アウトドアの『クーランマラン人力旅行社』の杉本さんもそうですね。こう言うと傲りみたいに思われるかもしれないけど、もともと地理的なポテンシャルがあるのかもしれない。四国八十八カ所霊場の第23番札所・薬王寺さんのお膝元ということもあって、外から来られる人に対して、あまり閉鎖的でない町民性も、素地となっているのかもしれないと思います。

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― その方たちともつながりがあるが、現在移住コーディネーターとしてご活躍されている小林陽子さんですね。小林さんをコーディネーター役として白羽の矢を立てたのはなぜでしょうか?

影治町長 陽子さんとは新聞販売店やオペラプロデューサーをさてれていた時からの知り合い。オペラプロデューサーとして、町の文化的な活動もお手伝いいただいたり、新聞販売店もされていたので、町内の空き家事情にも精通している。そのどちらも辞められるというタイミングで「私も町の役に立ちたい」という話があって、自然な流れでお願いしました。「コーディネーターとして誰か探していた」というのではなく、話をしていた中で出てきたことで、時期としてはちょうどサテライトオフィスの頃と重なっていますね。

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― 美波町のサテライトオフィスも神山町と同じ12社。勢いがありますね。

影治町長 小さい町なのに移住に関しては役場内で3名の担当者をつけています。移住交流に関しては秋山、サテライトオフィスには鍜治、地域おこし協力隊など全体的な移住に関する窓口は西口。陽子さんや吉田さんが町のために孤軍奮闘しているというのではなく、行政もきちんとフォローして、一緒にやっていくという姿勢をとっています。

こうした担当を置いたのはサテライトオフィスに関して吉田さんから「担当を置いて欲しい」という要望があったため。最初は産業振興課がサテライトオフィスの窓口を兼任しては…と考えていたんだけど、「専属の人を置いて欲しい。その人に東京に来て勉強してもらい、美波町へ来たいという会社があれば、コーディネート的な仕事をして欲しい」という話があって、部門分けして3人が担当することで、町としてのバックアップ体制を整えています。

 

― 行政や民間団体だけでなく、移住・定住は地域で取り組む問題に発展してきているように感じます。

影治町長 そうですね。空き家があっても、地域の人が迎え入れてくれないと、住む・暮らすということが難しいと思います。サテライトオフィスが最初にオープンした田井地区や、『美雲屋』のある恵比須浜の町内会は、非常に濃い付き合いをしていて、お祭りや地域の行事にサテライトオフィスやその町に来た若い人たちも参加し、地域に馴染んでいます。サテライトオフィスはまだ走りかなと思っていますが、今後、爆発的に地域に与える影響が加速度的に強まる時期が来るのではないかと思っています。今は壷の中でフツフツを熟成しているような時期と捉えていて、あと少し、何社、何人という具体的な数は分からないんだけど、どこかのタイミングで大きく成長すると思っています。

現在は飲食店や販売店が閉店していく方が多いけれど、彼らが来ることによって「この辺で店をしてみようか」と、逆転が起こるんじゃないかと。薬王寺さんには年間70万~80万人が来られるんだけど、大浜海岸の方までは行ってもらえなのが町の課題でもあるんだけど、薬王寺さんから桜町通り~大浜海岸といったルートが“サテライトオフィス通り”みたいになれば、「どんなところだろう?」と思って来てもらえるかもしれない。そうするとそこで「みやげもの屋をしてみようか」とか、「雑貨屋さんをしてみようか」とか、賑わいが生まれることを希望しているところはあります。

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― そうした変化に対して、なかなか受け入れることができない保守的な考えの方もいるのではないでしょうか?

影治町長 確かにサテライトオフィスに対して「雇用力があるわけでないから、来てもすぐに帰ってしまうんじゃないの?」とか「ブームが過ぎたらおらんようになるんだろ」と言う人もいるとは思いますが、私はそれよりも彼らが来ることによって、外からの考えに触れることや地域との交流によって生まれるものに、価値があると思っています。

サテライトオフィスはIT関連の企業が多く、彼らのインターネットを通じた発信力はすごい。いいことはもちろん、地域のマイナス面も流れていくので、裸の美波町を見ていただいて、それで気に入ってもらえるのがいいと思います。

移住先として「選ばれる町になりたい」と思っていますが、「来てね、来てね」というガツガツ感はない。迎合するという考えではなく、美波町の魅力を掘り起こし、再構築して、新たな価値を作り上げることによって選んでもらえる町になればと思っています。自分たちの町を誇りに思い、移住交流に取り組むことで好循環につながっていけばいいと思っています。(つづく)

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