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【新連載!】美波町へいらっしゃい!~移住コーディネーターの現場報告~

美波町の移住コーディネーター・小林陽子さんによる移住の現場エッセイがスタートします!町の人口減少を憂い、30年間、奮闘してきた小林さんは、定住率100%を誇る凄腕。徳島県出身の作家・瀬戸内寂聴さんが主宰する『寂聴塾』で学んだ独自の表現力で、地域が取り組む地方創生をユーモラスに描き出します。毎週金曜に配信しますので、お楽しみに!

【第1回】

移住ハンター

本日のお土産はスダチ三個とする。
オバチャン、籠の中のスダチ、ガバッと掴み、
「頂戴ね」
来たな、移住ハンター。

大阪・東京と大都市で月に一度開催される移住フェア。町から三人で出かける。一人は呼び込み、ブース二人で待ち受ける。
各県、知らない町のブースがズラリと並ぶ。一様に幟立て衣装はハッピ。お金かけ、気合い入ってるかどうか、歴然と差が出ている。
移住希望者、ほぼアウトドア衣装。

迎え撃つコチラ、都会へ行くからオシャレしてお出迎え。ハッピの中では異質。

「いらっしゃいませ」
入り口で書き込んだアンケート頂く。
「市内で母と二人暮らし。介護が大変で田舎へと思いまして」
どう見てもこの女性六十才以上。アンケート見ると四十六才。夫と二人暮らしと書いてある。相手する必要無し、役場担当に交代。
スダチ、タップリ持ち去られる。ショッピングカー、各地の物産で膨らんでいる。

「いらっしゃ」
若い男性、イケメン。おいくつ?出身は?独り?仕事は?
「IT関係です」
都会に疲れ、人に疲れ、仕事に疲れ、ほぼ病気。
「人のいない自然の中で暮らして、農業・漁業したいんです」
来た、ポッツン系。
この手の若者多い。誰もいないとこでポツンと暮らし、自然相手に仕事がしたい。
色白、キレイな手してる。土いじりなどしたことも無く、ましや魚など触ったこともないんやろう。
同じ歳ぐらい、息子のことが頭をよぎる。
「ご飯、ちゃんと食べてるの?」
お給料はいくら?
「知ってる、田舎の給料って15万円ぐらいよ」
農業・漁業なんて無理無理、と言わず聞いてあげる。
地域おこし協力隊、インターン、お試し農業・漁業・林業体験など、お金もらいながら田舎暮らし体験できる選択肢もある。
若いからやり直しきく。一度は田舎暮らし体験しリセットしてもいいだろう。移住できる選択あると思うだけで今の暮らし持ちこたえられるかもしれない。
「ほかのところも回って話聞いてごらん、良いとこいっぱいあるよ。ウチにも是非来て、待ってるからね」
顔に少し、赤みがさしてきた。

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▲徳島県の特産品スダチ。カボスとよく間違われますが、ピンポン玉くらいの大きさの柑橘です。果汁は搾って、皮はすりおろして風味つけに。徳島県民には欠かせない食材です。

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